MEMS

半導体プロセスを用いて作成されたギア(左下)とダニ(右上)の電子顕微鏡写真。サンディア国立研究所 SUMMiTTM Technologies の好意による www.mems.sandia.gov
LIGAプロセスで製造された光スイッチ

MEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)は、機械要素部品、センサアクチュエータ電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に微細加工技術によって集積化したデバイスを指す。プロセス上の制約や材料の違いなどにより、機械構造と電子回路が別なチップになる場合があるが、このようなハイブリッドの場合もMEMSという。

その製作には、LIGAプロセスや半導体集積回路作製技術をはじめとして、立体形状や可動構造を形成するために犠牲層エッチングプロセスも用いられる。

以前は、MEMSはセンサなどの既存のデバイスの代替を主な目的として研究開発が進められていたが、近年はMEMSにしか許されない環境下での実験手段として注目されている。例えば、電子顕微鏡の中は高真空で微小な空間だが、MEMSならばその小ささと機械的性質を利用して電子顕微鏡下での実験を行うことができる。また、DNAや生体試料などのナノ・マイクロメートルの物質を操作・捕獲・分析するツールとしても活躍している。

現在、製品として市販されている物としては、インクジェットプリンタのヘッド、圧力センサ加速度センサジャイロスコーププロジェクタ・写真焼付機等に利用されるDMD光造形式3Dプリンターレーザープロジェクタ等に使用されるガルバノメータなどがあり、徐々に応用範囲は拡大しつつある。

市場規模が拡大して応用分野も多岐にわたるため、期待は大きく、第二のDRAMと言われたこともある。


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